今!よみがえる吉野川伝承  2014年

◆大淀町◆吉野川<川開き>まつり◆

奈良県吉野郡大淀町下淵370番地
鈴ヶ森公園・行者堂

suzukakenomori1@yahoo.co.jp

海伝承

2014年05月24日 21:02

 古えの人々は、海に聖なるイメージを抱いていたと伝えられています。

沖縄のニライカナイの伝承のように、また、柳田國男が示唆する「日本神話」の「根の国」伝承のように、この国には、海の彼方から聖なるものが来るという言い伝えがあります。

 鈴ヶ森・行者堂の中央に鎮座されている役行者さまの石像も、尼崎の海からお上がりになり、いにしえの時代に尼崎錫杖組の人々の肩に担がれてこの地に奉納されたと伝承されています。

 また、鈴ヶ森から見下ろす大川淀にも汐が湧く・ここを掘れば温泉が出ると、明治の時代を生きた古老から伝え聞いたことがありました。

 吉野川各地に汐が湧くという伝承があります・・・吉野川沿いには多くの温泉が湧いています。海とは遠く離れた山奥に湧くその温泉のひとつには入之波温泉という名前がつけられています。鈴ヶ森にも、数年前まで、その汐を利用した大淀温泉がありました。

 古の人々にとって、吉野川は、遥か彼方の海に繋がる汐の湧く川であった・・・・・・吉野川の豊かな清流に、人々が海の神性を感じていた遠い古に思いを馳せるひと時・・・

 本日から開催されているあらかし土曜講座「世界遺産・吉野の自然と文化」の第一回「吉野に残る『海の伝承』(講師・吉野歴史館館長 池田淳先生)の、大いなる吉野に息づく、海の伝承のロマンあふれるご公演に寄せて・・・

(あらかし土曜講座ー世界遺産・吉野の自然と文化ーのご案内は、ニュース欄に掲載させて頂きます。)